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さあ、今日で目的地の大町に着く。初日で遅れたが、これは余裕で現地に到着できそうだ。テレビの天気予報によると天気は下り坂らしい。明日の結婚式は大丈夫だろうか…。 朝食の後、奈良のリタイア男性が先に出かけ、次いで中年ライダーさんと僕と、寝屋川の美術館巡り女性が出発する。中年ライダーさんはまだリング形式だった頃の古いツーリングマップルを使っていた。書込みの量がすごい。 安曇野からは県道306号線を使って北上する。高瀬川の堤防上に設けられた道路で、北に向かって緩やかな登りとなっている。スピードは出ないが息が上がるほどの坂道ではない。何となく、いつのまにか高度を稼げそうだった。 そして午前中に大町到着。2週間前にツリーハウスの建設を手伝った「森のくらしの郷」の入口を確認する。今日は作りかけのツリーハウスを借りて寝ることにしよう…。 今日はもうどこに行く予定もないので、よし!黒部ダムを見に行こう!本当に見に行けるとはなぁ〜。大町市内から大町アルペンルートを登り、扇沢でトロリーバスに乗り換えてダムに行けるようだ。 ではいざ、登坂開始! 大町アルペンルートは、元は黒部ダム建設の際に資材運搬用に開削された道路である。ホンマもんの山岳道路で急勾配。顔が歪むほどの登坂とはこのような登坂をいうのだ…。ぜぇぜぇハァハァ…。きーこきーこきーこ…。 スノーシェードをいくつか越え、いよいよ登りは急に。標高を稼ぐにつれ空気は冷たくなっていくが、いっぱいいっぱいの力で登坂しているので暑くてたまらない。きーこきーこきーこ…。ここまでの旅程では使わなかったフロントのインナーにギアが落ちてしまった。さすがにこれは軽いギアを入れないとムリでしょう。 しかしところどころで飲料を口にするために停車するものの、息を整えるためだけの「へたり込み」で止まるにはいたらない。メッセンジャーとして稼働してすでに2か月以上が経つ。都内の勾配はアルペンルートに比べれば(長さは)大したことがないが、それでも都内を週4ペースで毎日100キロ走っていれば、自然と鍛えられていくのだろう。登坂は苦しいことは苦しいが、しかしそのダメージは勤め人だった頃に比べればいたって軽いものだった。 そうか、いつのまにか鍛錬されていたのか…。結局12時10分に登坂を終えられた。 標高1425メートル。クルマや自転車で来られるのはここまでで、ここから先は深い山の中をくりぬいたトンネルの中を、トロリーバスに乗り換えて進むことになる。ここから先は、自転車を下りて気楽に観光客モードだ。 |
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| すごい。すごすぎる。 これが人間の作ったものなんだなぁ〜。その大構築物たるやみごと。ダムの堰堤の高さ…ひゃ、186メートル!?華厳の滝の倍もあるのか! ちょうど放水の季節で、放水口からドォオオオオオオオオオ!と飛び出す水しぶきは、落下する前に霧となる。 うーむ、すげー。すげーよ…。感動だよホント。展望台の近くで汲める破砕帯からしみ出す水で顔を洗い(これがまた冷たいのだ)、しばしダムに見入る…。うーむ、いつまで見ていても飽きない。 かなりの時間をダムを見下ろす展望台の上で過ごし、そしてダムの堰堤へ下りていく。 堰堤の左奥には殉職者の慰霊碑が建っていたので手を合わせておいた。殉職者の数、なんと171名。一人一人の名前が彫られた金属板が慰霊碑の下に掲げられており、もちろん知らない名前ばかりなのだが、それらの名前を見ていると何だかジワーっときてしまう。 堰堤の上に立つと、放水口から飛び出す水しぶきの中に、虹ができているのが見えた。 |
| 2時間近くというけっこうな時間を黒部ダムで過ごしたが、そろそろ戻るとするか…。帰りのトロリーバスの駅に向かう。帰りの乗り口には、映画「黒部の太陽」のカットの写真が何枚も貼られていた。なかなか面白そうな映画じゃないか。 トロリーバスにゆられること約15分。再び扇沢駅にもどってきた。では、黒部を離れることにしますか!3時に扇沢を離れる。帰りは大町までずーっと下りが続くので楽勝である。それにしても、空の雲行きがあやしい…。 大町の街の中まで戻り、時間は…まだ4時か。さすがに早く着きすぎたかな。では先に風呂に入ることにしよう。温泉「薬師の湯」で入浴料600円を払い、それこそ飽きるほど露天風呂に入る。 いくら風呂に入っても時間は有り余る。なにせすでに旅行の最終目的地に着いており、しかも本番の行事である先輩の結婚式は明日の昼からであり、もう何もやることがないからだ…。誠にゼイタクな時間である。風呂から上がった後もロビーでテレビなどを見ながらボケーッとし、6時になってようやく薬師の湯を離れた。 近くの定食屋の「テンカラ」(字は失念。天加羅…だっけ?)で豚肉のショウガ焼定食と、カレーライスと、ブルーベリーのフロートをたいらげる。店内には他に地元の客がわずかにいるのみ。店の主人としゃべっている。ん?どうやら明日の先輩の結婚式のことが話題になっている。テンカラもカレーを作って結婚式に提供するのだそうだ。 |
| テンカラを後にし、ツリーハウスへと向かう。街灯も何もない山道を、自転車のヘッドライトを頼りに押し歩きしていく。そして8時、ツリーハウスに到着。寝袋や銀マットを抱えて斜面を登り、やはりヘッドライトだけを頼りにツリーハウスで寝る支度をする。 |
| クルマで山を下りるノブぴょんたちを見送り、僕はツリーハウスに戻る。蚊取り線香に火をつけ、寝袋に潜り込む…。いよいよ明日は結婚式か…。 |
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日付 |
タイトル |
走行距離 |
宿泊 |
まえがき |
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| 7月27日 | 熱暑の中、やる気のない出発。 | 117km |
高田川の親水公園 |
| 7月28日 | 碓氷峠を乗り越えて。 | 129km |
安曇野ユースホステル |
| 7月29日 | 黒部ダムを見に行こう。 | 63km |
「森のくらしの郷」ツリーハウス |
| 7月30日 | そして感動の結婚式。 | 7km |
「森のくらしの郷」小屋 |
| 7月31日 | ツリークライミング初体験。 | 44km |
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| あとがき | 胸に去来するもの。 | ||