7月27日:熱暑の中、やる気のない出発。

走行距離:117km
ルート:世田谷〜所沢〜寄居〜藤岡〜富岡


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  前日はメッセンジャーの稼働日だった。台風が近づき雨脚が強まる中、朝9時から夜7時まで走り、伝票をしめて、帰宅。疲れたなぁ…。そして…旅行の準備をしないまま眠り込んでしまった。

 翌朝は7時に目が覚める。うぅ…いい天気じゃないか。そのいい天気を横目に今から自転車の手入れをしなければいけない。うぅ、ダルい。昨日の台風の雨で思いっきり減ってしまったブレーキシューを交換し、注油をし、シートポストに簡易リアキャリアの「クイックラック」を取り付ける。

 そしてようやく荷造り。着替え2日分と、工具類と、今回は野宿をするので寝袋も必要だ。しかし朝から暑いなぁ…なんか野宿とかいってもテントを張る気がなくなってきた。どうせ寝苦しくなるだけだ。晴れ予報なら、いらないだろう…。というわけでテントは割愛することにした。

 銀のウレタンロールマットもかさばるのでパス。ロールマットではなく、もっと薄いウレタンシートを畳んで持っていくことにした。

 今回は結婚式に出席するのでご祝儀袋も必要だ。これだけはビニル袋に入れ、段ボールで作った芯となる板で挟み、さらにプチプチシートで包んだ。これだけは何があっても守らなければならない。

 アパートの廊下でポタポタと汗を垂らしながら、準備をし、昼過ぎにようやく出撃準備が整う。午後1時15分、出発。予定よりもかなり出遅れた。予定では今日中に横川までたどりつき、明日は最初から碓氷峠登坂をする予定だったが、その予定消化はあやしくなってきた。

 家を出て、三鷹や武蔵野、小金井を通っていく。いやぁ荷物が重い。メッセンジャーのときはこんないろいろと荷物を積んだりはしないからなぁ。空身の自転車に乗って、メッセンジャーバッグを背負って走っているときの方がはるかに速い。

 台風明けの暑さもあり、なかなかペースが上がらない。時速20キロが出せればいい方だ。もちろんメッセンジャーの仕事中とちがって注文内容を指示してくる無線や時間の制約はないが、それがゆえにダレダレのままで走ることになる。今ひとつ気合いが入らない。暑い。暑い。あつぅい…。

 小金井から多摩湖自転車道に乗る。もちろんクルマは入ってこないが、一般道と交差するポイントでの車止めがうっとうしい。あくまで散歩道の延長で、自転車で快走するルートではなさそうだ。

 ちんたらちんたら進み、途中で多摩湖自転車道から離れて北上し、地方道16号、4号、国道463号、県道262号、地方道30号と、埼玉県内の丘陵地帯を走っていく。このルートは事前に地図検索ソフトを使って割り出した、横川までの最短コースだった。

 それにしても暑い、暑い、暑いんじゃーーーーーー!!自転車も重いんじゃーーーーーー!!

 うぉーーーと叫び出したくなる衝動を抑え…ることなく、クルマもあまり通らない田舎の道路で「あついんじゃーーーーー!」「くそーーーめっちゃだるいーーーー」と叫んでみたが、余計しんどくなったので止めた。

 ところどころの自販機や売店で補給をしつつ北上を続ける。埼玉県は意外に南北に長く、そのくせ平らというわけでもなく、面白い見所が多いわけでもなく、なかなかチャリダー泣かせな所だった。そして午後6時、もうすぐ寄居というところまでたどりついた。まだ、まだ埼玉県なのか…!!でかすぎる埼玉県、我が生まれ故郷埼玉県、チャリダー泣かせの埼玉県、ああ埼玉県。

 神流川を越えたところでようやく群馬県に入る。こりゃ横川に着くのは夜の11時とか12時とかになりそうだな。といってもそこまで走りきる元気が残っていない…。

 夜7時、藤岡市内の国道254号沿いのコンビニで休憩。やっとあたりは暗くなった。今日はナイトランか。コンビニの軒下でツーリングマップルを開いて考える。正直言って今日はもう自転車をこぎたくはない。ここ藤岡で終わりにしたい。けれどここから横川まではまだ40キロ以上ある。これでは明日が一気にしんどくなって取り返しがつかなくなる。

 しゃあない、もうちょっと進んでおくか。国道254号を西進し、距離を伸ばす。そして夜9時、富岡市内に入る。いやほんともう疲れました。すっかり疲れました。今日は頑張りました。もういいです、ここで終わりでイイです。横川まではあと20キロというところか。

 なんか野宿するのもしんどくなってきた。もうビジネスホテルでいいや。駅前行こう、駅前…と思って行ってはみたものの、そんなビジホなどないぐらいのひなびた駅だった。しかも駅は有人駅で、駅寝も無理そうなかんじ。都市の規模を見誤ったか。最悪だ…。駅前の公衆電話に備え付けのタウンページを見てみると、藤岡市内の方がたくさん安宿がありそうだった。しかし藤岡市は先ほど通り過ぎたところだ。

 途方に暮れたが仕方ない。あたりを探索して、野宿できそうな場所を探そう。しかし案外市街地はひらけていて、どうにもこうにも野宿などできそうな雰囲気ではない。

富岡市内
↑この街のどこで野宿ができようか…


 ではこの小学校はどうだろうか?校庭の端の、築山や岩や樹が固まっているこのあたりなら寝られるのではないか?いやいやいや、このご時世小学校に侵入などしていたらそれはただの不審者である。誰かに見つかってどっかにしょっぴかれたり面倒なことになるのはイヤだった。小学校は却下。

 ではこの公園はどうだろうか?トイレはある、水道はある。ベンチはある。なかなかいい感じじゃないか?とりあえず藤棚の下にあるベンチに移動してみる。まずは歯でも磨きますか。

 しかしこの公園はあまりに小さすぎる。一辺がわずか数十メートルしかない三角形の小さな公園だ。しかも駅からも近く、中心市街地にも近すぎる。普通寝られるような公園ではない。犬の散歩の人などがいきなり来そうだ。公園のすぐ横を、クルマがたまに通り過ぎるのもネックだった。

 いったん荷を解きかけたが、たまらず移動する。どこにしようかなー?とりあえず北側に川があるらしいのでそのあたりを探してみるか。

 吉野屋発見。牛焼肉丼を食べてしばし休憩。そして探索を再開。川沿いに自転車を徐行させる。真っ暗だ。どこかに野宿スペースはないものか?川沿いの道が舗装路から砂利道に変わる。注意深く徐行する。自分の自転車のヘッドライトの点滅がやけにまぶしい。

 ん?何やら駐車場らしき場所に出た。水道発見、トイレも発見。芝生の広場も発見!おお、何だかよさそうなかんじだ!どうやら親水公園か何かのようだった。周りをさえぎるものが何もないのが気になったが、時刻はもう11時。早く寝たいところだ。

 芝生の広場の看板に自転車を立てかけ、野宿の準備をする。ウレタンシートをばさっと広げ、その上に寝袋を広げる。以上。あらためて歯を磨き直し(吉野屋で焼肉丼を食べたから)、Tシャツを脱いでタオルを濡らして体を拭き、持参した蚊取り線香をつけ、眠ることにしよう…。

 それにしても、月明かりがこんなにも明るかっただなんて。


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日付
タイトル
走行距離
宿泊
まえがき
先輩が、結婚することになった。
7月27日 熱暑の中、やる気のない出発。
117km
高田川の親水公園
7月28日 碓氷峠を乗り越えて。
129km
安曇野ユースホステル
7月29日 黒部ダムを見に行こう。
63km
「森のくらしの郷」ツリーハウス
7月30日 そして感動の結婚式。
7km
「森のくらしの郷」小屋
7月31日 ツリークライミング初体験。
44km
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あとがき 胸に去来するもの。


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