11月4日:旧道探索、スタート。

走行距離:115km
ルート :鈴鹿〜四日市〜名古屋
宿 泊 :愛知県青年会館ユースホステル


 7時半起床。今日はのんびりしよう。フロント前に朝食を取りに行き、部屋で食べた後もうだうだする。けっきょく出発は10時になってしまった。昨日の激走でなんとなくダルい。そして指がなんとなくしびれている。

 この日は、往路とはルートを変えて、旧東海道をトレースしながら名古屋を目指す。

 どうやって旧東海道を探すのかって?実はアンチョコがあるのだ。社団法人中部建設協会というところが発行している「東海道さんさくマップ」というものを、今回の旅行前に入手していたのである。

 東海道五十三次のうち、箱根宿から鈴鹿峠までの道のりを紹介した本。A4横開き、オールカラーで140ページ。沿道の名所旧跡やそれにまつわる史料などが掲載されており、しかも旧東海道を正確にトレースした5万分の1地形図も収録されているのだ。これでお値段わずか1000円(税込)。代金と送料を現金書留で送れば、自宅に送ってもらえる。さすが、税金を使った事業だ(東海道ルネッサンス事業推進運動)。これで儲けようというのではなく、東海道関連の記念事業のために組まれた予算を消化すればよいのだから、このような価格設定になっているのだろう。

詳しくは…
電話 052-962-2210
名古屋市中区丸の内3-5-10 社団法人中部建設協会
までどうぞ。


 ただ、この本は旅行に携帯するには重すぎるので、出発前に読んで予習するにとどめておいた。もちろん丸暗記などできようはずがないが、それでもいい。なぜなら、今回の旅行の基本方針は旧道探索そのものではなくあくまで自転車で走りやすいルート探しであり、そのルートの候補として旧道を使うにすぎないからである。それに、全部が全部本に載っているルートを追跡したところで、全然面白くない。自分の目で旧道を現地で発見できるかどうかも試してみたかった。絶えず地図と首っ引きで走るというのはとても疲れるだろう。

 なお、旧東海道を自転車で走った記録を公開しているサイトとして、「旧東海道自転車走行記」を挙げておこう。

 白子駅前を出発し、昨日に引き続いてまた鈴鹿サーキット方面に向かう。レース前日、関宿まで足を延ばしてみたのだが、その続きから旧道をトレースするのである。次にこの地に来られるのはいつになるのか分からないからだ。関宿に西側から、旧道(たぶん)に入り、快調に走り抜ける。

 ところどころでルートを見失ってしまうが、そんなときはハンドルを返してしばらく探索する。そして国道によってさえぎられてしまったり国道と重複していたりすると、非常に探しにくくなるのだった。沿道のガードレールや電柱などに、いちいち「旧東海道」とか書いてあれば発見もたやすいだろうに。現地に行って初めてルートを追い、正確にトレースするというのは、よほどいろいろ恵まれた条件が重ならないかぎり難しいということがわかった。

 ただの道ではなく、宿場町跡に入ると旧道は分かりやすい。なぜなら沿道には古い家並みが続いているからである。場所によってはしっかりと旧東海道をアピールしているところもあり、そのような町では案内板や標識がきちんと整備されている。町によっても、宿場町であったことを意識しているところとしていないところがあるようだった。

 本当に旧東海道をトレースできているかどうかは帰ってからの「答え合わせ」が必要だが、とにかくクルマに出会いさえしなければそれでいいのであり、その点では非常に満足のいく探索だった。けっきょく三重県を出るまで国道を走ったのはほんの数キロにすぎなかった。なんだ、国道を走らなくても鈴鹿まで行けるではないか。

 その快適な旧東海道も、長良川・揖斐川河口の「七里の渡し」でオシマイである。なぜかというと、江戸時代には、この河口から名古屋の熱田神宮近くまでは渡し船で渡ることになっていたからだ。名古屋の中心部に到達する国道1号も、海沿いに名古屋市街地をパスする国道23号(名四国道)も、旧東海道ではない。旧東海道はあくまで海上のルートだ。

 しかたないので国道23号を使って名古屋の南側を走ることにした。往路で使った愛知県青年会館ユースはだいぶ北の方にあるし、まだ脚にも余裕がある。名古屋には泊まらず、もう少し東側に進んだところで宿を探そうと思ったのだ。

 ところがこの名四国道というのがクセモノで、交通量の多い橋を避けて歩行者ルートを走ろうとすると、下の写真のような階段になってしまうのだった。手押しをしなければ登れない。ふだんの旅行であれば、クルマ用の橋が歩行者・自転車通行禁止でなければクルマと並んで路肩を走ってしまうのだが、今回の復路のコンセプトはクルマを避けることである…と思って避けてみたらしんどい目をみなければいけないのだった。


↑ふだんは右側のクルマ用のルートの路肩を走るけど。
 

↑橋には登らずそのまま進むと、こんな階段があってウンザリ。

 そして名古屋の中心部を離れてしまったのが失敗だった。少しでも名古屋から離れて、東に進めればいいと思っていたのだが、一気に真っ暗になってしまい、旧道の探索どころではない。探索はあきらめて宿さがしに専念するがちっとも見つからない。名鉄の線路沿いに国道1号を南東へと下っていくが、宿などどこにもないのだ。

 ふーむ、これまで何度もやってきたように、駅前の公衆電話ボックスのタウンページで近くのビジネスホテルを探すつもりでいたが、何せ宿自体がない。コンビニで、ここらでいちばん大きい駅を尋ね「鳴海駅」「前後駅」が大きいとのことだったが、行ってみれば全然大きくない。

 考えてみれば当たり前である。自転車ではだいぶ名古屋から離れたつもりだったが名古屋市は広い。まだまだ市内。中心部まで電車で20分足らずといった距離だ。こんな中途半端な場所に泊まるニーズなどなく、ふつうは名古屋駅や金山駅まで出て、そこに泊まるにちがいない。

 ある程度都会であればどこの駅にもビジネスホテルはある、こう信じていたが、これがたとえば豊橋や岡崎なら当てはまるだろう。しかし鳴海や有松などといった中途半端な場所ではビジネスホテルなどないのだ。東京でいえば、たとえば新宿や八王子であれば泊まる場所もあるだろうが、八王子よりも都心に近い「桜上水」や「芦花公園」ではかえって中途半端すぎて泊まる場所に事欠くようなものだろう。桜上水も芦花公園も、たしかに「東京」であるにはちがいないが…。

 ちくしょう、名古屋側の七里の渡しで探索をやめておけばよかった。しかたないので国道1号を逆に走りなおし、名古屋中心部に戻ることにした。途中、未練がましく宿はないかと国道を外れて探してはみたが、ないといったらない。真っ暗。何も考えず戻った方がよさそうだ。7時過ぎ、愛知県青年会館ユースに電話をし、空きを確認する。

 こうなったら何キロ走っても一緒だ。かなり北上しなければいけないが、安ければ安いほうがいいんだ。それにしても夜は寒い。カッパを着込み、ヨロヨロとユースを目指して走る。しかしこの戻る途中、GPSの電池が切れてしまった。そしてスペアの電池に充電するのも忘れていた。すでに暗くなっているのでヘッドライトから電池を抜くこともできない。しょうがないなぁ、帰ったら手でログを書き直すしかない。

 8時15分、ようやくユースに到着。チェックインし、夕飯を食べに出かける。「宮本むなし」という、ダジャレ以外に何の意味もないような名前の定食チェーン店でたらふく食べる。ご飯お変わり自由というのが嬉しい。おかずと漬け物でバクバク3杯ほどおかわり。そして最後に生卵をかけてもう1杯おかわり。

 この日の宿の同室はT君という青年だった。往路で泊まったときに同室だった中国人2人はもういないのか…。

 ん?床に「桃岩荘ユースホステル」と書かれた歌集っぽいものが転がっている。もしや!?もしやあの桃岩!?…案の定このT君、礼文島のあの「桃岩荘」の大ファンだそうで、京都で行われる桃岩荘の同窓会に出席するためにはるばる札幌からやってきたのだという。札幌から礼文島に行くよりも遠いじゃないか。

 ハマる人はハマるというその噂通り、彼はこの夏、桃岩荘に「31泊」したそうである。ヘルパーではなく、あくまで客として。31泊ですよ!?31泊。そんな楽しいところなのか…。僕もそのうち上陸することだろう。


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日付
タイトル
走行距離
宿泊
まえがき
久々の自走旅行。
10月27日 サイバーチャリダー、箱根を登る。
96km
箱根レイクヴィラユースホステル
10月28日 意外に楽勝国道1号。
117km
ホテルユートリー
10月29日 国道1号も捨てたもんじゃない。
74km
清風荘
10月30日 酷道1号の雨。
98km

愛知県青年会館ユースホステル

10月31日

名古屋に初めての滞在。

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愛知県青年会館ユースホステル
11月1日 ついに鈴鹿に到着!
71km
コンフォートイン鈴鹿
11月2日

嵐の前の旧道探索。

53km
コンフォートイン鈴鹿
11月3日 鈴鹿8耐参戦レポート。
153+20km
コンフォートイン鈴鹿
11月4日

旧道探索、スタート。

115km
愛知県青年会館ユースホステル
11月5日 ちゃりログが必要なルートとは。
102km
浜名湖ユースホステル
11月6日 再びレース。最高記録更新を目指せ!
176km
ホテルサンポート
11月7日 ユース開眼の地、御殿場へ。
81km
御殿場ユースホステル
11月8日 ただいま戻りました!
113km

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あとがき

なんちゃってチャリダーの金字塔。



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