8月11日:泊まりたくないユース。

宿 泊 :松井ユースホステル


 ユースにチェックイン。いきなりヒイた。玄関のソファーに、長く伸ばした髪の毛を後ろでしばったヒゲ面の40歳くらいの男が「どてーっ」と寝ていた。そばには「がーーーー」っと扇風機が回っている。この人は、ホステラーだろうか?ペアレントだろうか?

 奥の方から老女性が出てきた。この人が宿の主人か。チェックインの手続きをすませる。しかし視界に入るその男が気になる。もしかして、この老女性の息子ではなかろうか?部屋を指示され、鍵を渡される。

 スリッパをはいてペタンペタンと階段を上るが、宿全体がなんとなくホコリくさい。階段の壁の水平になっているスペースには、全長50センチくらいの巨大な戦車のプラモデルが、何台も陳列していた。その横には「ニンテンドーゲームキューブ」の空箱なんかが積んである。ウーム・・・・。

 自分の部屋に入るが、やっぱりなんとなくホコリくさい。そしてなんとなくジメっとしている。しかも暑い。うーむ。空気を入れ換えようと窓を開けたら、目の前に隣のビルの壁があった。うーむ。なんとなく手を部屋の中でぱたぱたあおいでみた。窓を閉め、クーラーを入れてみた。吹き出し口に手を当ててみるが、生ぬるい風しか出てこない。クーラーを止め、フィルターを取り出してみると、案の定、ホコリが堆積していた。厚さにして5ミリ程度であろうか。数年分の量と思われる。再び窓を開け、パンパンパンとフィルターをはたく。

 玄関前の駐車場に洗濯機が置いてあるので、たまった洗濯物を放り込む。残ったボトルの水をグイっと飲みながら、ぼーっと休憩。すると、マウンテンバイクに乗った学生風のチャリダーが二人、サーーっと進入してきた。「こんにちはー」挨拶を交わす。僕のランドナーに気が付いて、「おーランドナーだーーーーっ」と声を上げる学生1。「え?ランドナーって何?」と学生2。学生1はマウンテンバイクユーザだが、ランドナーのことも知っていた。すなわち、ギアチェンジ用のレバーがハンドルではなくフレーム(ダウンチューブ)についており泥よけが標準装備であり、ドロップハンドルであり、タイヤは比較的太めであり・・・といったことを僕と学生1は学生2に説明してあげる。

 やがて洗濯と乾燥が終わり、自室に戻る途中、談話スペースで先ほどの学生二人が熱心に作戦を練っている。明日は能登半島を回ってくるらしい。ルート取りをあれやこれやと考えていた。能登半島か…今回はそこまでは脚を延ばせないなぁ。…洗濯物を部屋に放り込み、僕は金沢の街の探索へと出かけることにする。このユースは食事提供なしだし、夕飯もすませてこよう。

 金沢もまた、景観の保護に力を入れている都市だ。街の中の昔の用水跡であろう水路は暗渠にされることもなく、水をたたえて町中を流れていた。そんな水路の一つに沿って、コンビニで買った観光マップを見ながら歩いていく。金沢名物の何かを食べたかったが、一人分にしては予算オーバーだ。無難に名物ラーメン店でラーメン、ギョーザを食べる。すこぶるうまかった。

 しかしお腹がまだ物足りない。ミスド(ミスタードーナツ)に出かけ、ドーナツを4つばかり食べた。まだ物足りなかった。途中のコンビニで買い物をし、 ようやく宿に戻る。

 さて、風呂にでも入るか、と思って入った風呂は、ただの家庭用風呂だった。しかも、キタナイ。うげーっというかんじだ。シャワーだけ浴び、身体を洗い、10分ほどで出てきた。一刻も早くこの浴室を出たいというかんじ。

 自室にてコンビニで買ったモノをたいらげ、布団を出してさぁ寝るか。・・・布団にもぐったら、なんとなくシメっぽかった。うーむ。フィルターのほこりをはたいたエアコンも、まだ何となくホコリくさい。

 まぁ安いから文句言う筋合いはないのだが、これで「ユースホステル」の看板を掲げているのはいただけなかった。ユースの看板で客を釣って、自分たちの日銭を稼いでいるだけじゃないのか・・・??別に宿が汚いこと自体はどうでもいいのだが、そのやる気のなさがイヤになった。何となく、市役所のダメ職員を思い出した。