11月1日:阪神ハチマキの吸引力。

走行距離:70km
ルート :大阪〜暗峠〜法隆寺〜奈良
宿 泊 :ビジネスホテル光陽


 輪行袋に入れた自転車とフロントバッグを抱え、近くの駅まで歩く。この道のりがいつものことながらしんどい。

 始発で出発。あらかじめ予約していた、新幹線ひかりの最も早いやつ(6時36分)に乗り込む。車中ではウトウトと。今年は甲子園まで行くために、大阪までは7往復している。これで8往復目。もう車窓の景色をずーっと眺めるということもしない。関ヶ原を越えた時点で頭の中の言葉が関西弁に切り替わる。

 9時40分、新大阪到着。いい天気や。自転車の組み立てやらパッキングやら飯補給やらで、走り始めたんは11時。相変わらずトロい。野球用の長袖アンダーシャツの上に阪神タイガースのビールかけ時の黒Tシャツ、頭には阪神タイガースのハチマキといういでたち。今回はヘルメットなしや。

 とりあえず、2日後に阪神タイガースの優勝パレードがある御堂筋に向かうか〜♪

 歩道を走っていたらさっそく自転車レーン発見!と思ったら歩道の一部をペイントしてあるだけやないか・・・。路上駐輪によってふさがれ、意味ないやん。

 今回のテーマは自転車で走りやすいルートの探索。御堂筋は、走りやすいんかなー?と思ったら淀川を渡りきったところでいきなり挫折。橋の歩道を走ってたら、橋から下りるためにはらせん状の階段を歩くしかないやんかー!しゃあない。自転車を持ち上げ、グルグルと階段を下りていく。淀川を渡るときは、423号新御堂筋を使うべからず、と・・・。いちおう、ポイント、ポイントではデジカメを取り出して撮影しておこう。

 JR大阪駅を過ぎ、中之島を過ぎ、いざ御堂筋に突入。見たかんじオフィス街みたいやけど、休日なだけあって思ってたほど人は多くない。イチョウ並木がきれいやし、道路に面したビルの上端が、ずーっと同じ高さに切りそろえられていてこれまたきれい。オフィス街にしては、風情のある街やないか。

 パレードの予定ルートとなっている心斎橋まで確認した後、ハンドルを返して東へ。大阪城で昼飯。その後は国道308号を爆走や!国道308号は上空に高速道路が延びていることもあり、下道の交通量は思ったより多くない。まあ休日の昼間やしなあ。

 途中、マウンテンバイクに乗った日帰り風チャリダーに追い抜かれた。歩道には目もくれず、車道を快走していく。服装やライン取り、止まるときの足の付き方などを見るからに、いかにも走り慣れていそうや。ペースメーカーになっていただこう。後を追走する。速い速い。しかもライン取りに無駄がない。彼の後を追うだけでストレスなく国道を走り抜けられる。けど、向こうもこちらに気がついたようや。

 信号待ちで追いつき、直線で引き離されるの繰り返しやったけど、ある交差点で彼は赤信号を渡りきり、見失ってもうた。見切り発車でも駆け込み突破でもない、赤信号の真っ最中では、さすがに追うことはできひん。

 そうこういっているうちに、前方の生駒山が大きくなってきた。道路も緩い登りに転じる。いよいよか・・・。コンビニで再度補給していたら、先ほど引き離された日帰りチャリダーも休憩していた。声のかけ方がお互い分からず、何か居づらいかんじ。自分だけ早々に出発する。


 さあ、いよいよ暗峠(くらがりとうげ)の登坂開始や!2時15分、近鉄額田駅に到着。目の前の、この坂登るん?想像以上に急やな。この暗峠だけは、自転車ルートの探索という趣旨とは離れる。ウワサにきく激坂を、この目で見てみたい(できることなら制覇したい)という怖いもの見たさ。決して自転車でオススメするわけとちゃう。

 登り始めてびっくりした。ペダルが全ッ然踏み込めへんやないか!慌てて坂を下り直し、ギアを軽い方に入れてから再度登り始める。道は、見たかんじ傾斜45度!・・・というのは言い過ぎやけど、でもそんなかんじやった。視界は路面しか目に入らへん。一踏み、二踏み、歩く人より遅いで、これ。

 と思ったら上の方から原付が下りてきた!うわー、乗ったままではよけられへん。道幅が狭いんや。やむをえず、足をついて停車してやりすごす。

 そして再起動、と思ったらペダルを踏めへんかった。全体重をかけて踏みしめようとしたけどペダルがどうしても前側に落ちひんかった。しゃあないからスキーの急斜面で再起動するときのように、自転車を斜面に対して直角にして、横向きに発進してみる。・・・あかん。横向きには当然こげるけど、ハンドルを切り返して角度が斜面と平行になった途端、ペダルが踏み切れんようになる。

 いきなり戦意喪失。坂が急で息が苦しいとかいう以前に、ペダル自体が踏めへんのやったらしゃあない。道幅が狭く、かつ交通量がゼロというわけではないので、ジグザグ登坂もできひん。一度足をついたらオシマイ。

 というわけでハナから手押しをするハメになった。奈良まで、あと何kmあるんやろうか・・・??

 途中で、地元の散歩中のおっちゃんと一緒になる。僕が頭に巻いていた阪神のハチマキを見て、阪神話で大いに盛り上がる。「一人やとしんどいけど、こうしてしゃべりながらやと大丈夫でっしゃろ」という。たしかにその通り。

 途中でおっちゃんと別れ、再び一人てくてく峠を登る。もはやペダルを踏み直す気力もあらへん。自転車にまたがってこぎ直したのは、峠をほとんど登り終えてからやった。敗北もえーとこや。箱根や日光いろは坂のほうが楽チンやで、どう考えても。

 3時半に峠を登り終えたところには茶屋があったので休憩。ここでも頭に巻いた阪神ハチマキが注目を集め、茶屋のおばちゃんがヨウカンを通常は2つのところ4つにオマケしてくれた。そして阪神話が盛り上がる。「東京からわざわざパレード見に来てくれたん?ホンマうれしいわー」やて。まるでおばちゃん自身が阪神タイガースを代表しているかのようやけど、阪神は関西の心なんやろう、きっと。東京の阪神ファンとは、絶対何かちゃうで。


 空気が冷たくなってきた。これから急いで奈良側にくだらなあかん。日が落ちるのが早いで。もう4時や。

 急坂をかけおり、あっという間にふもとへ。国道308号を快走する。南に向かって緩い下りのようや。ついで竜田川のサイクリングロードを発見、ありがたく使わせていただく。こういう細かい地元のサイクリングロードが貴重やねん。

 そして法隆寺付近からまたサイクリングロード。これは入口を探すのが難しい。法隆寺の正門まで行ったら、外壁沿いに東へ走ろう。あかん、もう真っ暗や。まさかまさかのナイトラン。ずーっと外壁沿いに走ると、正面に堰堤が見えてくる。その上にサイクリングロードがある。これを使えば一気に奈良まで走れるはずや。

 むろん自転車でこんな時間にこんな何もない道を走っているのは自分一人。サイクリングロードがなかったら、道に迷ってたかもわからん。サイクリングロードのおかげで夜間であるにもかかわらず、遠くまで、安心して走れたにちがいない。途中のラーメン屋で補給し、ひたすらサイクリングロード。自転車専用というわけではなく、歩道と共用やったり、通学路と共用やったりしたけど、おおむね迷うことなく進めた。ただ一カ所、郡山城近くの交差点では注意が必要や。道なりに走ってたら、あらぬ方角へ連れ去られる。

 佐保川まで来れば、中学生の頃に家族で走ったことのある道や。真っ暗やけど、土地勘があるから迷うことはない。西大寺近くまで北上し、平城宮跡の脇を走る。しかしここでサイクリングロードを見失ってもうた!本来なら平城宮の中を通るはずやねんけど、うっかり平城宮跡の北辺まで来てもうた。狭い狭いバス路線。せっかくここまで安全にねばり強く探索しながら走れたのになぁ。めちゃ悔しい。

 しかしあとは早く奈良を目指すだけや。このあたりは地図など見んでも走れる。何せ元奈良市民やしな。

 そして9時前、ようやく近鉄奈良駅に到着。観光案内所で地図をもらい、ビジネスホテル光陽というところへチェックイン。一泊3800円ナリ。奈良は夜が早い。7時過ぎにはたいていの店が閉まるという感覚やろうか。夜まで栄えている繁華街というものがあらへん。食べ物屋を探すのに苦労するが、幸い近くにお好み焼き屋があったのでそこで夕飯。そして近くの興福寺へプラプラ散歩。ライトアップされててきれいやった。

 宿に戻り、ボフッとベッドの上に仰向けになり、天井を眺める。いやーなんか奈良に帰ってきたいうかんじや。フツフツと喜びが沸き上がってくる。もとより、僕は関西人とはちゃうけど、でも中学高校の大事な時期を過ごした思い出の場所。これからも奈良には、何度も来るんやろうなぁ〜。


次のページへ
前のページへ
自転車旅行トップへ戻る

日付
タイトル
走行距離
宿泊
まえがき
ライフワーク前哨戦。
11月1日阪神ハチマキの吸引力。70kmビジネスホテル光陽
11月2日関西快走ルート開通。77km

ホテルコンソルト

11月3日ありがとう阪神タイガース。--
あとがき

ライフワークの確信。


トップページ自転車旅行に出かけよう自転車に関する私的考察始末記管理人よりメルマガGPS