|
連休の谷間の3日間の仕事を終え、この日から再び北上旅行の続きだ。
4時20分起床。少しでも時間が惜しい。始発で出かけ、6時過ぎに羽田空港に到着。素早くチェックインを済ませ、6時40分に離陸。一路函館空港へ。
それで、8時半には函館で預けておいた自転車を回収し、早くも走り始めていた。地方道100号を使って函館市街を迂回し、国道5号を北上する。道の両側には赤松並木。アップダウンが続くがさほどきつくもない。
大沼公園で休憩する。とそこはいちめん桜の花!東京ではとっくに桜の季節は終わっているが、ここ北海道では今がまさにお花見どきなのだった。バックには駒ヶ岳がそびえる。
内陸から再び海沿いの道へと出る。11時45分、その途中にある「道の駅You遊もり」で昼飯。名物のいかメシを2ハイ分。しかし今日はでっきるだけ北に行きたいので、のんびりはしていられない。12時15分には出発。
引き続き国道5号を北上する。信号などもほとんどなく、やたらと広い路面の上を快走していく。ペースが上がる。これが、北海道か!力一杯走ることができてうれしい限り。
3時45分、長万部の「長万部市場」に到着。名物の「かにめし」の大盛をぺろりと平らげる。めちゃうまだ!うますぎる。ついでに鉄砲汁もいただく。そしておまけにホタテ煮までもらってしまった。うーむ、いくらでも食べられるぞ。
しかしそろそろ今日泊まるところを探さねばなるまい。今回はテントを持ってきていないし、夕方になってきて急に冷え込んできた。とりあえず長万部駅に行こう。
タウンページで宿を探すべく長万部駅前の公衆電話ボックスへ向かう。温泉旅館は一人じゃ泊めてくれないかもしれないし、何より、高かったらイヤだし。うーむと考えていたら、とあるおじちゃんに呼び止められた。
今日どこから来たのかとおじちゃんから訊かれたので「函館からです」と答えると、「じゃあわしと同じだ」という!僕はランドナーだがおっちゃんはママチャリだという。それで一日に走る距離が同じとは、、、、おっちゃん、健脚だなあ。
なんでも小樽に住んでいて、奥さんとケンカして「もうー函館まで自転車で行ってやる!」とタンカをきり、奥さんに「そんなのできるわけないでしょっ!」と言われ、じゃあ、ということで家出してしまったらしい。小樽から函館までママチャリで走り、そして今函館から戻ってくる途中なのか。今夜は雨が降るらしいからママチャリは宅急便で送り、自分はこれから電車で帰るという。やがておっちゃんは駅舎の中へと入っていった。
うーむ、ママチャリダーもなかなか侮れない存在だ。マウンテンバイクやランドナーを知ってしまった僕は、もうママチャリでは遠出も旅行もできないよなぁ。旅行の範囲はたしかに広がったけれど、チャリダー根性はママチャリダー時代よりも落ちているのかもしれない。
けっきょく「エクセルインホテル」というビジネスホテルに泊まることにした。一泊6000円。決して安くはないがやむをえない。先ほどのおっちゃんの話によると今夜は雨が降るらしいので、近くの雑貨屋でゴミ袋を買ってシート状に切り裂き、自転車全体を覆うようにして雨対策を施す。
さて、荷物を部屋に下ろし、夕飯を食べに行こうと思い外へ出ようとしたら宿の主人から呼び止められた。「いやー、そのあなたが着ている作業員用の反射帯、外していってもらえませんかねぇ?」だと。なぬ?暗い夜道でも車にひかれないようにと、重宝しているんだけれどな。僕の自転車旅行では標準装備だ。
なんでも、そういうベストを付けた土木作業員は地元ではあまり素行がよくない流れ者が多いとかで快く思われていないというのだ。そしてそのどちらかというと地元で嫌われている土木作業員風の男に歩き回られ、あのホテルに泊まっているということが周りに知れたらこっちが迷惑するのだという。さらに僕が頭に巻いているバンダナもできればやめてもらいたい、と言う。また、店の人に何か訊かれても、ホテルの名前は一切出さず、自転車旅行中であるとも明かさず、あくまで「東京理科大の学生で今研修施設に宿泊しているんです」と答えてくれ、とまで(笑顔で)言われた。ホテルの主人が自分でそう言うんだぞ?
なんか違和感を覚える依頼だ。思いっきり「田舎の論理」を見せつけられた気がした。正直な話、あまり気分のいいものではない。田舎を旅行はできても、とても住めそうにはない。だからド田舎はイヤなんだ、と思わず決めつけてしまいそうになる。観光客以外はいっさい匿名での存在が許されない息苦しさをきっと感じてしまうと思う。それも僕がニュータウンっ子であるがゆえにであろうが。
とはいえ、この主人も地元でずーっと暮らしていかねばならない人なのだ。この人の今後のムラでの平和な暮らしを乱す理由もない。ここはとりあえずおとなしく従っておこう。
ラーメン屋でラーメンを食べ、宿に戻り、いつの間にかネル。明日は雨かー。
|