午前0時:たき火とともに、過ごす夜。

宿 泊 :たき火の前(寝ていないって)


 テントの中でうとうとする。いちおうそれなりの防寒の備えをしてはいるが、いまひとつ暖かさが物足りない。熟睡できない。がしかし眠れないと次の日に響くので、無理やりネル。

 ・・・どれぐらいの時間がたっただろうか、突然テントの外でカウントダウンの声が聞こえてきた。「サン、ニー、イチ、ゼロ!ワー!」・・・歓声が上がると同時に花火がバンバーンと打ち上げられたようだ。すわ、何事ぞっ!ふと時計を見ると、明けて1月1日午前0時。新年おめでとう、なのだった!

 テントの外に顔を出すと、砂浜の上を大勢の人が相変わらず嬉しそうにうろついている。しかしまあオレは寝るよ。再びテントの中に引っ込み、寝袋にもぐりこむ。・・・がしかし今度は全く寝つけない!寒さが気になって気になってどうしようもない。といってもこれ以上厚着し ようもない。うーむ。

 しかも、テントのそばを通る人通る人みなが「あ、テントだ」「うわ、テントだ」「お、テント だ」「うそー、テントだ」と口々に言うのにもまいった。テントの中に丸聞こえなんですけれど。

 「え、この自転車で来たのかなー」「うそー、自転車でー?」「まじかよー」・・・だからテントの中に丸聞こえなんですけれど。よほどテントに「テント宿泊中、自転車旅行中」と大書してやろうかと思った。

 寝袋の中で震えるも寝られず、しょうがないので夜中の二時半頃、夕飯を食べたベイハウスへ出かけることにした。店は夜中にもかかわらず大繁盛していた。この日に限って終夜営業しているらしい。席に座ると、店員さんに顔を覚えられていた。いや、寒くて寝られないんですよ。ホットケーキセットを注文し、あったまる。

 1時間ほどねばり、3時半頃店を出て、波打ち際を歩き回ってみる。焚き火で暖を取り、初日の出を待っているグループが大勢いた。焚き火のそばを通ると、ウム、たしかに暖かい!

 負けずに僕も焚き火を作ることにする。枯れ枝をかき集め、場所を確保し、さて焚き火開始!と思ったけれど火種がないなあ。なので近くで焚き火をおこしていた地元風の若者グループ4人組から火種をもらう。彼らとしばし談笑。
 「一人で来てるんですか?」「一人ですよー。みなさんは友達連れ?」「こいつはオレの女で、向こうの二人もカップルっす」あらいいわね。聞くんじゃなかったぜ。まあいいか。

 しかし風が強い。火が絶えないようにするのにも一苦労だ。石組みをし、枯れ枝を蓄え込み、火の番をする。うむ、快調快調。浜辺を見やると、ポツポツポツと、いくつものたき火が並んでいるのが見渡せる。よし、今夜はこれで朝まで乗り切ろう。寒くて寒くて、火から離れられない。

 さあ、6時50分、そろそろ日の出だー!と自分の中では盛り上がったが、なんと、水平線はくもり。くもり。くもりである!初日の出なんか見えやしないでやんの。な、なんのためにオレはたき火までして待っていたんだ?

 けっきょく太陽が確認できたのは、7時半頃になってからだった。アテがはずれたぜっ。


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日付
タイトル
走行距離
宿泊
まえがき
新ネタを求めて。
12月31日 師走疾走。 約70km 犬吠埼君ヶ浜(テント)
  たき火とともに、過ごす夜。 - -
1月1日 突貫九十九里浜。 64km 九十九里浜白子ユースホステル
1月2日 突貫外房。 91km 浜の文治
1月3日 自分の足跡。 26km -
あとがき 企画倒れか。

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