9月14日夜:遠野ユースホステルでの一夜。


 で、この日の宿である遠野ユースホステルである。

 これまでにいくつものユースに泊まったし、今さらユースってこんなところだったのかーなどと驚くこともない。けれど、この日泊まった遠野ユースは、これまでに泊まったユースの中で別格ナンバーワンだった。(噂によると、北海道礼文島には、もっとスゴイ桃岩荘というユースがあるらしいが…)

 夜7時頃、ヘロヘロになって宿にたどりつき、荷物を下ろし、風呂に入った。
 で、その後行った談話室が大盛況なのだ!14日、15日はお祭りがあるということで、そのお祭りの見物客、のみならず遠野の外からやって来た人も参加できるというお神輿をかつぎにやって来た連中や、大学の夏休みを利用しての旅行学生、長期滞在中のヘルパーさん、遠野に移住してしまった常連などで、談話室はひたすら熱かった。

 前の日が孤独なテント泊だったこともあり、僕も大勢の人としゃべりまくり。夜9時半からペアレントさんからの連絡(全員談話室に集合!)、その後遠野初心者には別室にて観光案内。で、これがたいそう面白い!消灯時間はいちおう夜11時だが、談話室だけは夜中までフリーにしておくという粋な計らい。お茶、コーヒーはご自由に。

 チャリダーもいて、大阪からやって来たという大学3回生の女の子は、きゃしゃな外見からは想像のつかない、根っからの旅行好きだった。旅行サークルの会長らしい。平泉や青森を回ってきたらしいが、途中で自転車が大破し、自転車は自宅に送り返して、現在なぜか遠野に8連泊中だという。8連泊だって!なんじゃそりゃー。

 チャリダー相手だと、いや、チャリダーでなくてもユースに一人で来るような人相手だと、ふだんは気味悪がられることが多くて他の人には話せないような自転車話でも、普通に話できるのがうれしい。ライダー、電車組、ヒッチハイカー…とはまた別なカテゴリーだからね。

 岡山から来たという30代後半のおじさんは、実は大学の教授だった。「ふだん教えている立場からすると、あまり学生に遊びまくれとか言えないけれど、でもこういう旅行とかは、ぜひやってほしい」ですって。やっぱ若いころに旅しといたほうがええよねーと3人で結論。

 祭りの真っ最中ということもあって、神輿を担いできた連中は異様な高揚感に襲われているようだった。遠野市民でなくても市役所に申し込んで神輿をかつぎ、3年連続でかつぐとハッピがもらえるという。今年で2年目だという男が「よっしゃぁ、これでリーチだ!」と吠えている。

 路傍の石碑などにゾッコンという女の子は、遠野ユースで臨時ヘルパーとして滞在中。実は埼玉県の大学生だった。遠野で撮りまくった「石」の写真アルバムを広げてみんなに見せている。

 夜遅くなって宿の片づけが済んでからは、ペアレントさんの奥さんや他のヘルパーさんも話の輪の中に。

 それにしても、楽しいユース楽しくないユースって、どうやって決まるんだろう?客のメンツの組み合わせ?ペアレントさんのユースへの情熱?
 いずれにせよ、この日のユースは最高に面白かったぁ。でも、ここにいるみんなは、ふだんは何してる人なんだろうか??

 さて先ほどの大阪の大学生チャリダーは言う。「ウチ(←関西の一人称の一つ。ワタシという意味です。念のため)の周りって、なんか公務員目指してるとか、そういうマジメな子が多いんですよー。こういう旅とか、全然せえへん子なんですー」
 ってオイオイ、オレも公務員だってば!やはり公務員って、単なる職業ではなくて「人種」というか、個人の性質まで勝手に想像される存在なのかしらん。まあ別にえーねんけどー。

 夜中までおおにぎわいの中、結局僕も夜中の2時近くまでみんなのお話につきあってしまった。なんか、パワーもらったなあ。


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日付
タイトル
走行距離
宿泊
まえがき
見どころ満載、観光もしたいではないか。
9月11日 不安のつきない出発。 - ビジネスホテル増花
9月12日 激走国道4号。 136km メイプル仙台ユースホステル
9月13日 続・激走国道4号。 114km 北上川・高舘橋下(テント)
9月14日 君は「炎(ほむら)立つ」を見たか 82km 遠野ユースホステル
  遠野ユースホステルでの一夜。    
9月15日 初の連泊・遠野ポタリング。 75km 遠野ユースホステル
9月16日 さらば遠野。 - -
       
9月22日 また来た遠野。 - 遠野ユースホステル
9月23日 岩手山に励まされ。 121km 八幡平ユースホステル
9月24日 決戦わんこそば。 - -
あとがき 制約された自由の中で。

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