7月20日:初体験、混浴露天風呂。

走行距離:30km
ルート :東京〜電車で日光〜鬼怒川温泉〜川治温泉
宿 泊 :川治温泉、野岩鉄道下(テント)


 前夜のうちに自転車を解体、輪行袋に詰めて準備。

 7時半に起床、なんだかんだで最寄り駅から電車に乗ったのが9時半過ぎになってしまった。京王線からそのまま都営新宿線に乗り入れ、岩本町(秋葉原)へ。自転車と荷物をかつぐ肩が痛い。銀座線を経て、これから北千住より、東武線で遠く日光まで向かうのだ。売店で食料を買い、軽く腹ごしらえ。11時半、東武線発車。

 電車は埼玉県を縦断し、栃木県に至る。端の車両を選んだものの乗客が多く、僕の自転車・荷物がえらい迷惑だ。特急を使った方がよかったかな…。日光まであと1駅というところまで、席には座れなかった。
 この路線は、大学生の頃、会津田島にある大学の寮に行くときによく使った。毎年冬になるとサークルのみんなで乗り込んで、スキーをしにいったものである。

 午後1時半、東武日光駅に到着。去年マウンテンバイクのデビュー戦で日光を訪れて以来、約1年ぶりだ。駅前広場の隅で、自転車の組立を始める……がしかし、事前に近所の公園で練習はしていたものの、なかなかうまく組み上がらない。練習のときは20分ほどで組み上がったが…。

 汗が額からしたたり落ちる。気ばかり急いて、なかなか思うように作業が進まない。く。四苦八苦しているところ、客待ちタクシーの運転手から何度か冷やかされる。ふーふー言いながら結局40分ほどもかかってしまった。
 そこからさらにサイドバッグ、フロントバッグ、銀マットをキャリアにくくりつけたところで猛烈な空腹感に襲われる。く、いつになったら出発できるんだ…。駅前のうどん屋で肉うどんを食べ、3時半ごろ、ようやく出発。オレってばグズだなあ。輪行もラクじゃないよ…。

 日光から今市に向かって走り始め、日光広域農道を快走する。びゅーんっと軽快な走り。ダウンヒルでもないのにこんなにスピードが出るものか?メーターを見ると時速30kmだった。マウンテンバイクではなかなかこんな数字は出せない。ペダルを踏み込む力が逃げずにダイレクトに車輪に伝わっているのがこいでいてよく分かる。ランドナー、買ってよかったなぁ。

 やがて国道121号に入る。すぐ横を流れる鬼怒川をさかのぼることになるので、ずーっと登坂が続く。ドロップハンドルの先端を握り、体重を下にかけて踏み込み、難なくクリア。同じ低速ギアでも、マウンテンバイクのときよりもはるかに楽に登れる。

 途中鬼怒川温泉を通るが、まだ空は明るいし、鬼怒川温泉は巨大旅館が建ち並ぶ観光地なので自転車旅行者が踏み込む余地もない、ということでそのまま素通り。

 5時過ぎ、龍王峡の休憩所でイワナの塩焼きと焼き団子をほお張り休憩。今日は初日ということで、軽めの走行にしておこう。休憩所のおかみさんに鬼怒川沿いの温泉について訊いてみたところ、鬼怒川温泉は有名だけれど、お湯の質はこの奥の川治温泉の方がいいし、歴史も古いという。よし、今夜は川治温泉で宿泊場所を探そう。

 さらに5kmほどの登坂を終え、川治温泉に到着。うーむテントを張れるような場所はあるかな??自転車を降り、河原を偵察。すると、川の対岸に露天風呂があるではないか!おお、あれぞまさしく「薬師の湯」か?今夜の風呂はこれで確保できた。

 そして露天風呂近くに自動車の駐車場、町営の広場を発見。駐車場には何張かのテントやキャンピングカーが止まっている。これなら自分もテントを張りやすい。さらに歩き回ると、駐車場近く、鉄道の橋脚の直下に何もない草むらがあった。というわけで、この橋脚の横にテントを張ることにする。



↑対岸から見た露天風呂の様子。丸見え。向かって右側、木造屋根付きの方がお湯がやや熱い。

<温泉にて>

 テントを張りおえ、さっそく混浴(!)露天風呂へ向かう。混浴とはいっても、すぐ近くに女性専用の風呂があるので、実質は男風呂だろう。自動販売機で300円の入浴券を買い管理人に渡して脱衣所へ。

 服を脱いで体を洗ってザップーン。ここまではふだん銭湯に通う僕としては何ともないことだ。しかし、風呂につかって対岸を眺めると、対岸の旅館の窓はみんな川をはさんだこちら向きなのだ。丸見えである。しかも丸見えであるのみならず、ときおり窓のカーテンがシャッとあいてカメラのフラッシュが光るのが分かる。撮られ放題撮られまくるのにはまいった。

 それにしてもこの薬師の湯、お湯がぬるくてのぼせない。いつまでも入っていられるというのが素晴らしい。このまま寝てしまうかも。
 東京の小平から来たという、小さいお子さんを連れた若いお父さんとお話する。最初は鬼怒川温泉にしようと思っていたけれど、地元の評判は川治温泉の方がいいということで、急きょ川治温泉に泊まることにしたという。やっぱりそうかー。僕が龍王峡の休憩所で聞いたのと同じ評判だ。

 ん?おおっ!同じ浴槽に女性が入ってくるではないか!?近くに女性専用露天風呂があるのに。全身「たわわ」な60歳ほどのおネエさん。僕とその若いお父さんは驚いてしまった。一方地元のおじさんたちは平然。おネエさんも平然とおじさんたちとお話している。大したもんだ。こちらはお湯につかっている中でさらに汗びっしょり、です。

 結局1時間ほどお湯につかってしまった。指の先はすっかりシワシワだ。すぐ近くの食堂でモツ煮込み定食を食べ、テントに戻る。当然なーんにもやることがない。近くをブラブラ散歩したり、空き地で阿波踊りを一人で踊ったり。10時過ぎに早くも就寝。

 しかし暑くてなかなか寝つけない。テントの中を蚊が飛んでいるのも気になる。というわけでテントを抜け出て再び風呂に入ることにした。もうすでに管理人はおらず、入浴券を買わずに入れてしまう。時間は夜中の11時。風呂には誰も入っていない。独り占めだな〜。
 風呂に浸かり、やはりうとうとしかけてしまう。テント暑いから、朝までここでこうしていようかな…などと考える。1時間後、例によって指がシワシワになりきったところでようやく上がろうとする。

 とそのとき、川の対岸の遊歩道を若いカップルが歩いてくるのが見えた。手にはお風呂セット。ムムムム。川にかかる橋を渡ってくる。上がろうとした僕は再び風呂に入り直す。え〜い、おまえら、そうはさせんぞっ!!居座るオレ。
 橋の途中でようやく向こうもこちらに気づいたようだった。二人でこちらを指さして、何やら相談している。そして二人は元来た道へと引き返していった。撃退成功。

 二度目の入浴を終え、ようやく本当に眠りにつく。


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日付
タイトル
走行距離
宿泊
まえがき
念願のランドナーを手に入れる。
7月20日 初体験、混浴風呂。 30km 川治温泉(テント)
7月21日 日光街道まっしぐら 109km 会津の里ユースホステル
7月22日 帰りを気にする、この悲しさよ。 61km -
あとがき この走りの軽さを見よ。


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