5月6日:ありがとう、さらばマウンテンバイク。

走行距離:104km
ルート :長瀞〜飯能〜東京


 朝、目覚める。うーむ今日で連休も最後か…。ほいじゃまあ、自分ちまで完全自走で仕上げといきますか!テントを撤収しようとしたら夜露がすごい。時間には余裕があるので、日当たりのいい河原にテントを移動させ、しばらく乾かすことにした。その間自分は朝食&岩畳見物。

 荒川上流、奇岩が広がる岩畳はまさに壮観。朝早くから大勢の観光客やカヌーイストたちが訪れている。テントが乾くまでの間、僕も岩畳の上に腰掛けて川面をぼんやりと眺める。何だか幸せな気分だ。

 午前も10時近く。そろそろ出発するか。テントをたたみ、パッキングを終えて、いよいよ今回の旅行最後の走行だ。国道140号に出て、秩父に向かって南下する。快調快調〜。秩父から国道299号に入り、3年前にママチャリで訪れた、大学の先輩の別邸に行ってみるが当然ながら無人だった。

 そして3年前と同じくここから再び峠越えである。その名も正丸峠。峠とはいっても今はトンネルを使って越えるのだが、厳しい登りがあることには違いない。3年前と違うのは、乗っている自転車がママチャリではなく、マウンテンバイクであるという点だ。

 登坂開始。あれあれあれ〜〜?こんなにラクチンだっけか?…さすがにマウンテンバイク、ママチャリ時代とは登りやすさが違う。ギアを勾配に合わせてチェンジし、難なく登ることが出来た。

 そして正丸トンネルに突入〜!前回はスピードが出ないママチャリだったこともあり、狭い歩道の上をソロリソロリと走っていたが、今回は車道を一気に突っ走ってケリをつけることにした。

 銀帯の工事用ジャケットを着用し、テールライトを点滅させ、準備完了。いざトンネル〜!バックミラーで後方の様子を確認しつつ、猛スピードでトンネル内、車道の真ん中を爆走する。自動車が来ないうちにトンネルを抜けるのだー。ギュンギュンギュンギュンっとペダルを回し、あっという間に全長2km弱のトンネルを駆け抜ける。この間自動車に抜かれることはなかった。今回は交通量が少なかったことが幸いした。

 トンネルを抜けた後は毎度おなじみのダウンヒル。高麗(こま)川沿いに国道299号を下っていく。ここも3年前に通ったそのままの場所だ。

 ダウンヒルを終えた後、今回は高麗の巾着田に寄ってみることにした。ここは小学生の頃、家族で訪れたことがある。また高麗川近くの日和田山には、小学生の頃、夏休み中にクラスの先生の引率で、親やクラスメートと一緒に登ったことがある。このあたりは自分にとって思い出の地なのである。高麗駅前の「天下大将軍」「地下女将軍」のトーテムポールもなつかしい。

 巾着田は古代、朝鮮半島からの渡来人たちが住み着き、高麗川の蛇行を使用して、三方を川に囲まれた土地を水田にした場所。今は一面お花畑の公園になっている。巾着田では手作りアイスクリームを買い、パクパク食べて涼み、またしても川面を眺めてぼんやりする。

 小学生の頃へのトリップを終わり、再び南下開始。飯能を経て、八高線の線路沿いの県道218号を走る。周りを林に囲まれた涼しい道だ。その後狭山丘陵のお茶畑のど真ん中を突っ切り、3年前の記憶をたどりながら力走する。暑い向かい風がちょっとこたえるが、もうすぐで旅は終わりじゃないか。

 やがて自動車がビュンビュン行き交う国道16号瑞穂バイパスにぶち当たる。ここまで来るといよいよ東京に帰ってきたんだなあというかんじ。福生の米軍横田基地の前を何kmも走る。車は多い、歩道は狭い、歩行者は多いという、自転車にとっては最悪の場所。

 昭島市に入り、自動車の排気ガスから逃れるように多摩川自転車道に飛び込む。あとはここを爆走しておしまいだ。旅も本当にいよいよ終盤である。時間にしてあと3時間もかからないだろう。

 しかし、道路そのものはもちろん自転車道であるから快適なのだが、この最後の30kmほどが非常にきつい。首、腰、手首が痛くてたまらないのである。

 もともとマウンテンバイクは長時間走行のための自転車ではない。短時間、舗装されていない山中を走り抜けるための自転車。したがって長い時間にわたっての快適性はあまり考えられておらず、頑丈さと制御のしやすさを優先につくられた、人の体に優しくない乗り物なのだった。なんといっても体軸が立ったままという乗車姿勢がよくない。

 もちろんママチャリに比べたら、この日の正丸峠越えでも分かるようにすぐれた力を発揮してはくれるけれど…。

 今回はオール野宿、しかも峠越えの頻度が多く、一回の登りが非常に長かったので、疲労もその分大きい。その疲れが一気に関節にキてしまったようだった。僕自身、そんなに頑健な体というわけでもない。筋肉痛は我慢できるが、関節痛は逃げようがない!

 フウフウいいながら多摩川自転車道を走り、調布で甲州街道に出る。前半の連休で走ったのと全く同じ道だ。マウンテンバイクに乗っての旅行は、もうこれで最後だな…。次はランドナーを用意して走ろう。

 夜7時半、ようやく自分のアパートに到着。明日からまた仕事だ。


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日付
タイトル
走行距離
宿泊
まえがき
テントに泊まってみようではないか。
4月28日 どこにテントを張ったら、いいのかな。 50km 青梅、多摩川河原(テント)
4月29日 雨まみれ汗まみれ東京脱出。 78km -
       
5月3日 橋の下が今夜の寝床。 32km 八田村、釜無川河原(テント)
5月4日 橋の下が今夜も寝床。 111km 軽井沢、湯川河原(テント)
5月5日 見よ、高校球児の熱戦を。 94km 長瀞、荒川河原(テント)
5月6日 ありがとう、さらばマウンテンバイク。 104km -
あとがき 宿を探さぬ安心感。

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