3月22日:決戦、あばよ、早くー。

走行距離:58km
ルート :根占〜鹿屋〜志布志
宿 泊 :JR志布志駅待合室


 Yさんや、佐多岬に行くという大学生チャリダーの話によると、志布志から根占まで、鹿屋経由の道はそれなりにアップダウンがあるという。ツーリングマップルを見ると、平坦な道路に見えるのだが…。とはいえ、距離もたかが知れている。今日で、長かった自転車旅行もひとまず終わりだ。最後に、気合い入れていくぞ。(ところで大学生チャリダーは無事に佐多岬に着いたのだろうか?)

 Nさんがカブで先発、志布志経由で北に向かうという。Yさんも別ルート。Sさんは居残り。Yさんはすでに志布志を通過し、志布志駅の「旅のノート」のようなものに書き残してきたという。そうか、じゃあ僕はその後に何か書こう。…そして出発。
 
 はたして、鹿屋経由の道はアップダウンの繰り返しだった。しかし登りの後には必ず下りあり。天気もいいし、なかなか快調。距離的にも本気で走れば半日で着いてしまう距離だ。志布志に早く着きすぎても困るしなあ。ちなみに志布志から東京までのフェリーが出港するのは23日の昼である。だから今日は志布志に早く着いても乗船できるわけではない。乗船する当日に志布志に向かうのはギリギリ過ぎるので、前夜のうちに着いておくというだけ。だからこの日は夜までに着けばいい。志布志での宿は…なんでも駅(無人駅)の駅舎で寝られるらしいからそこで。

 というわけで、昼頃、大崎の道の駅に併設されている温泉につかり、うだうだと時間つぶしをしてしまった。真っ昼間ということもあり、大浴場がほとんど貸し切り状態。いろいろな種類の湯船に繰り返し繰り返し入る。はぁ〜今日もゼイタクやな〜。の〜んびりしとこ。

 それでも志布志には2時半頃に着いてしまった。うーむ、乗船までに…あと22時間近くか。どないしよ?

 フェリー乗り場の場所を確認した後、駅周辺を走ってみるが、町自体がとても小さい。港の方が町よりも大きいというかんじがする。う〜む。
 お、そうだ。志布志駅の旅のノートだ。パラパラめくると、ありましたありましたYさんの書き置き、その下に、数時間前に通ったと思われるNさんの書き置き、その下に僕もナニゴトか書いておいた。
 駅前には一軒、大型ショッピングセンターがある。その中の漫画喫茶に行ってみた。漫画を読んだり、インターネットからメールなんぞを送ってみたり。

 夕飯は駅前の中村屋という食堂で、たらふく食べておいた。その後文房具屋で小型ノートを一冊買い、駅に戻り、これまでに取っていた簡単なメモを元に、旅行の詳しい内容を書き残しておくことにした。3月3日、東京出発、箱根を登り……、4日土砂降りの中箱根を下り……、6日一日中向かい風で……。書いているうちに、次々と旅の記憶がよみがえってくる。あんな人と会ったなあ、こんな話してたなあ〜。これまでになく、登場人物が多い旅行となった。
 
 夜9時半、電車から一人、チャリダーが下りてきた。大学の自転車サークルに入っており、現地集合で九州を走るという。高千穂方面を走るというが、そうか、これから旅なのか…いいな……。駅前で自転車を組み立て、やがて走り去っていった。

  旅行の記録を書くのに疲れたので、再び漫画喫茶に向かった。再び思いっきり漫画を読みふける。……けっきょく夜12時の閉店まで粘った。もうさすがに駅に人が来ることはないだろう。駅舎の電気も消えたし、もう寝ても大丈夫だろう。暗闇の中、あらかじめ買っておいたお菓子を食べつくし、駅のトイレで歯を磨き、防水シートにくるまってベンチに横になった。


<宿にて>

 横にはなったものの、駅前のロータリーを走る自動車のライトが気になったり(ドアが全面ガラスなので、車が通るたびに照らされる)、突然駅のトイレを使うために入ってくる人がいたりで、全然落ち着かない。今まで、なんだかんだいってちゃんと寝るところがある宿にしか泊まったことなかったからなぁ。なかなかこう、寝ることに集中できない。それに、意外に夜は冷え込むぞ?

 それでもどうにかベンチの上でウトウト……けっきょく3時間ほど眠っただろうか?そして朝4時頃、早くも駅舎の電気がついた。うわ〜もう朝か〜といっても外は真っ暗。始発まではまだ時間がある。とはいえ、明かりがついている、人が来るかもしれない場所で横になっているわけにはいかないので、ベンチの上にきちんと座って、腕組みをして下を向いて眠る。


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日付
タイトル
走行距離
宿泊
まえがき
ついに、このときが。
3月3日 キミは、登りきることができるか。 100km 箱根レイクヴィラユースホステル
3月4日 土砂降りの雨、一車線の人生。 106km 焼津セントラルホテル
3月5日 東海道しっかりせよ、怒り号。 100km 浜名湖ユースホステル
3月6日 一筋に、一筋に、無敵の男。 95km 愛知県青年会館ユースホステル
3月7日 天からミゾレの関が原。 110km 近江八幡ユースホステル
3月8日 転勤族の故郷とは。 83km 実家
3月9日 作戦変更。 実家
3月10日 父子伴走。 71km ビジネスホテルともえ
3月11日 瀬戸内旅情で休んだ。 82km ユースホステル浄運寺
3月12日 口角泡を飛ばした夜。 93km 倉敷ユースホステル
3月13日 決断のとき。 94km 瀬戸田ユースホステル
3月14日 春のうららの海だわさ。 89km 松山ユースホステル
3月15日 九州上陸作戦。 35km 別府ユースホステル
3月16日
神が舞い降りた日。
126km
シティホテルプラザ延岡
3月17日 ひとり上手と呼ばないで。 88km 宮崎県婦人会館ユースホステル
3月18日 ダサいキツネと依怙地のタヌキ。 59km 都城ユースホステル
3月19日 桜島だ、いよいよ。 69km 桜島ユースホステル
3月20日 ずっこけるな、三人組の大競争。 49km 圭屋(たまや)ユースホステル
3月21日 佐多岬はるかなり。 22km 錦江湾サウスロードユースホステル
3月22日 決戦、あばよ、早くー。 58km JR志布志駅待合室
3月23日 さらば、さらば。 1km 大島汽船「ありあけ」2等席
3月24日
日常へ。
34km
あとがき オレの勲章はオレのもの。


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