走行距離:22km
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同室の連中は、朝早くから開聞岳登頂に出かけてしまった。遅れて僕も出発。もうガツガツ走らずとも、十分帰りのフェリーにだって間に合う。のんびりいこう、のんびり。 日本最南端の駅「西大山」駅に向かう。いきなり峠に出くわすが、いくつかの峠越えをした後は、気持ちのいい、畑の中の一本道だった。…本当に気持ちのいい道。道の横には並行してJR指宿枕崎線の線路が一本、まっすぐ延びている。そして僕が走る正面には開聞岳がそびえている。開聞岳は左右均一というか、きれいなお椀型の山。ビジュアル的にかなり美しい山だ。 西大山を後にし、しばらく畑の間に延びる道を走り抜ける。日差しはすっかり春。自転車をこぎながら眠くなってしまう。今日は今走っている薩摩半島から、対岸の大隅半島に渡ればそれで終わり。これまでの旅行中、いちばんの心の余裕。 フェリーの出発時間までまだ時間があったので、近くの店で薩摩揚げとソフトクリームを食べる。ウマイ。乗船場の横の公園で、昨日雨に濡れた防水シートを広げて乾かしていると、お?公園内にランドナー2台発見!装備もキャンプ道具一式そろえた、まさに本物のツーリング装備。はて、持ち主は……?と探すと、持ち主はカップルだった。なんでも埼玉県からやってきたという。カップル二人ともすっかり日に焼けている。相当走り込んできたかんじだ。いやー、二人連れチャリダーは前にも会ったけれど、カップルチャリダーは初めてだ。 フェリーがやって来たので乗り込む。自動車甲板に自転車を止め、客席甲板に上る。対岸までは40分ほどかかる。船内の立ち食いそばコーナーでカレーうどんを食べていると、なんと、一昨日桜島ユースで一人でボー然とテレビを見ていた男から声をかけられた。 「こないだ桜島のユースにおらんかった?」 そして、驚くべきことに、彼は、僕と同じ中学・高校の1学年違いの先輩だったのだ!面識はなかったが、卓球部に入っていたとのことで、僕と同学年で卓球部にいた連中の名前は当然知っていた。「こんなところであいつらの名前出てくるとは思わへんかったわ〜」 港のすぐ近くのユースに二人で向かったが、4時半以降でないと開かないとドアに書いてある。それならば今のうちに、ということで日本本土最南端、佐多岬に向かうことにした。Nさんはカブで、僕は自転車で、と言いたいところだが、あいにく佐多岬に至る道のラスト数kmは自転車通行禁止だということをすでにつかんでいたので、バスで向かうことにした。本当に最南端まで自転車で行けるのではなかったら、意味ないしなぁ。Nさんはカブで先発。僕は自転車を駐輪場に置いて、バス停に向かう。駐輪場にはすでに1台、ツーリング装備の赤いマウンテンバイクが止めてあった。 さてバスは…あれま、出発までまだ2時間近くもある。まぁいいか。フェリー乗り場まで歩いて戻り、防波堤の上に横になって昼寝をすることにした。??近くをママチャリに乗ったあやしげな男が周りをキョロキョロとうかがいながら走っている。なんだ〜?自転車旅行ではなさそうだし、地元の人にも見えない。まあいいか。ぐ〜〜。 やがてバスがやって来たので乗り込む。しばらく南に向かって海沿いの国道269号を走る。道は狭く、またアップダウンも結構ある。根占から佐多岬までは40km近く。自転車で往復していたら、帰ってこれるのは夜遅くになってしまう。もうそういうのはイヤだ。ゆとりですよ大切なのは…。 一般道の終点大泊から南は、さらに別料金だ。この佐多岬ロードパークウェイが、自転車通行禁止の道路となる。窓の外に見える山に生えている植物が、なんかちがう。なんだなんだ?見たこともないような熱帯っぽい植物が山にニョキニョキと生えている。まるで異国に来たかのよう。 やがてロードパークウェイも終点となり、バスが帰るまでの間が観光タイムだ。結局バスで1時間半もかかった。 |
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<宿にて> 夕飯を食べ終わり、近くのスパハウス「ネッピー館」に4人で出かけた。おぉ、今日も温泉か〜。広々とした湯船につかり、4人で話し込んでいたのですっかり長湯になってしまった。Sさんは、画家としてはまだ一本立ちしておらず、奥さんのパートの収入にも助けられているらしい。もう一歩で軌道に乗るところなんだけれど…と話していた。 ネッピー館を出たところで、おお、チャリダー発見!駐輪場でランドナーにパッキングをしている。彼も風呂に入っていたのか。富田林チャリダーYさんと僕が話しかける。画家Sさんと、同門Nさんは先に帰った。 ここで激しく動揺したのはYさんと僕だった。なにぃ!くそぉ!本当に行くやつがおるんかい!あ〜このままこの大学生チャリダーを見送ってしまっていいのか??ここはわれわれもついていくべきではないのか? 画家Sさんは自分の部屋で絵を描き始め、Nさん、Yさん、僕は食堂で酒を飲みつつ、バカ話。Yさんの地元富田林(とんだばやし)では、夏にPL教団の大花火大会があるらしく、なかなかの見モノだから是非来いという。どのくらいすごい花火大会かというと、東京の多摩川や隅田川でやる花火大会が、2時間弱で1万5千発くらい。いっぽう富田林の花火大会は、1時間で、なんと12万発もの花火を打ち上げるという。まさに「昼のごとく」空が明るくなるらしい。ほほぉ〜〜花火好きの僕としては、それは見に行かなくては。いつか行くぞ。 他にもいろいろ3人でバカ話をしているうちに、いつの間にか夜中の12時。そろそろ寝ますか。 |
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日付
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タイトル
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走行距離
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宿泊
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まえがき
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| 3月3日 | キミは、登りきることができるか。 | 100km | 箱根レイクヴィラユースホステル |
| 3月4日 | 土砂降りの雨、一車線の人生。 | 106km | 焼津セントラルホテル |
| 3月5日 | 東海道しっかりせよ、怒り号。 | 100km | 浜名湖ユースホステル |
| 3月6日 | 一筋に、一筋に、無敵の男。 | 95km | 愛知県青年会館ユースホステル |
| 3月7日 | 天からミゾレの関が原。 | 110km | 近江八幡ユースホステル |
| 3月8日 | 転勤族の故郷とは。 | 83km | 実家 |
| 3月9日 | 作戦変更。 | − | 実家 |
| 3月10日 | 父子伴走。 | 71km | ビジネスホテルともえ |
| 3月11日 | 瀬戸内旅情で休んだ。 | 82km | ユースホステル浄運寺 |
| 3月12日 | 口角泡を飛ばした夜。 | 93km | 倉敷ユースホステル |
| 3月13日 | 決断のとき。 | 94km | 瀬戸田ユースホステル |
| 3月14日 | 春のうららの海だわさ。 | 89km | 松山ユースホステル |
| 3月15日 | 九州上陸作戦。 | 35km | 別府ユースホステル |
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3月16日
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126km
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シティホテルプラザ延岡
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| 3月17日 | ひとり上手と呼ばないで。 | 88km | 宮崎県婦人会館ユースホステル |
| 3月18日 | ダサいキツネと依怙地のタヌキ。 | 59km | 都城ユースホステル |
| 3月19日 | 桜島だ、いよいよ。 | 69km | 桜島ユースホステル |
| 3月20日 | ずっこけるな、三人組の大競争。 | 49km | 圭屋(たまや)ユースホステル |
| 3月21日 | 佐多岬はるかなり。 | 22km | 錦江湾サウスロードユースホステル |
| 3月22日 | 決戦、あばよ、早くー。 | 58km | JR志布志駅待合室 |
| 3月23日 | さらば、さらば。 | 1km | 大島汽船「ありあけ」2等席 |
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3月24日
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34km
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| あとがき | オレの勲章はオレのもの。 | ||