3月14日:春のうららの海だわさ。

走行距離:89km
ルート :生口島〜今治〜松山
宿 泊 :松山ユースホステル


 …二日酔いにはならない。スッキリ目覚め、朝飯を食べ、スッキリ出発!しかし、ユース に払った宿代だけでは、ビール代やスナックの代金までは出てこないと思うんだけれど、 いいのかな?けっきょくペアレントは朝は現れなかったので、ヘルパーさんにあいさつだけして出てきてしまった。

 今日も、しまなみ海道の続きを海を眺めながら走る。今日もまたカラリと晴れわたってポカポカ陽気。今日も気分最高〜。素晴らしいペースで次々と橋を渡り、島々を走り抜けていく。し まなみ海道は大学の自転車部の合宿のメッカなのだろうか、何組ものツーリング装備の編隊とすれちがい、あいさつを交わした。自転車部以外にも、レンタサイクルに乗って島めぐりをしている人が大勢いる。

 すべての橋を渡りきろうかというところで、遠足途中の中学生数十名と遭遇。橋の上をピョンピョン飛び跳ねながら進軍している。まあ元気だこと。「コンニチハー!」「おう、こんにちは」

 本四架橋最後の来島海峡大橋を渡り終えたところで少し早めの昼飯をとることにした。 鯛の釜飯。釜飯を炊くところから作るので少し時間がかかるという。釜飯が出来るまでの間、地図を眺めてこれからのルートを考える。

 それにしても、東京を出てから実家までの道のりは、どちらかというとつらい思いが先に来ていたけれど、実家からさらに西に進むにつれ、旅の「調子」がだんだん上がってきたような気がする。膝の具合もだんだんマシになってきたし、鹿児島まで走りきろうという元気が再び湧いてきた。3月7日、近江八幡に泊まったときの弱気はどこへやら。この頃になると、なかなかオレもやるではないか、と心底思えるようになってきた。この調子で旅を終えることができればうれしい。

 昼飯を終え、今治から松山に向かって走り出す。海沿いの国道196号を走り続けたが、爽快な道のりだった。輝く海、雲一つない青空。陽気も暖かい。もう春なのか?これまでで最高のコンディション。ペダルをまわす脚の動きも軽快そのもの。シャカシャカシャカシャカシャカ……。さえぎるものは、何もない。

 やがて道後温泉近くの松山ユースに到着。午後4時前。ちょっと早く着きすぎたなーというぐらいに到着するのが、余裕を生むもと。これでいいこれでいい。しかしこんなに早く着くなら、夕飯も頼んでおくんだったなぁ。…荷物を下ろして、明日乗る予定の松山〜別府を結ぶフェリーを予約する。

 この陽気でかなり汗をかいていたので、さっそくお風呂セットを持って道後温泉に向かうことにした。道後温泉は立派な木造建築の公衆浴場。御殿の中に、料金に応じてさまざまな風呂が備えられており、ただ風呂に入るだけでなく、和室でゆっくりくつろぐことだって出来てしまう。地元の人からも観光客からも愛される一大娯楽養生施設だった。

 僕が今住んでいる東京のアパートには、風呂がない。だからふだんは僕も銭湯に通うわけだが、もちろんなじみの銭湯は大のお気に入りだけれど、こんな、道後温泉のような立派な銭湯があったら、さぞかし毎日が楽しかろう。しかもいちばん安い浴場で300円(東京の銭湯は400円)。御殿の外で、地元のおじさんに写真を撮ってもらい、道後温泉の概略まで説明してもらってしまった。「なんや、宿が決まっていなかったらうちに泊めてやってもよかったのに」…うーむ、それも面白そうだったかも!?

 結局いちばん安い浴場に入ったわけだが、広々とした湯船に豊かなお湯。こりゃ〜一日中つかっていてもいいかもな〜。
 …身体がふやけるぐらいに風呂に入った後、近くの商店街で肉うどんと鯛雑炊をペロリ とたいらげる。帰り道に伊予柑シャーベットで口直し。うーん、シアワセシアワセ。


<宿にて>

 そして松山ユースホステル、かなり居心地がいいぞっ!だら〜んと落ち着いてくつろげるようなつくりになっている。談話室には炭を燃やして使う暖炉なんて置いてあるし。

 日本地図を眺めていた富山から来ているという塾の先生(男30歳)と話す。たいへん物腰柔らかい方だ。18切符を使って瀬戸内やら九州やらを一人でまわっているらしい。既婚者でも一人旅大好き派。僕が自転車で通ったところや、途中で泊まったユースなども訪れており、大いに話がはずむ。ユースに泊まる人というのは、旅の嗜好が似ているところがあるので、共通の場所を知っているというのはよくある話のようだ。

 くだんの暖炉のある談話室では、アメリカ人留学生(男18歳…日本語うまいってば)、板橋区大学4年生(女22歳)、静岡県藤枝の18切符男(年齢不詳)と話し込んでしまった。おもろい!おもろすぎるー!板橋区女の子がみんなにストレートな質問をぶつけてくるもんだから〜こりゃもータイヘン。まぁ、全員とても個人的なことにまで話が及んだから、ここには書かない。けど、初対面でマジトークって、面白いね〜〜。旅の恥はかき捨てとは違うけれど、旅に出ると、ふだん取りつくろったりゴマかしたりするガードが一気に外れてしまうようだ。

 話し込んでいるうちに、いつのまにか夜12時をまわっていた。明日は朝6時半のフェリーに乗らなくてはいけない。もう寝よう。おやすみ。


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日付
タイトル
走行距離
宿泊
まえがき
ついに、このときが。
3月3日 キミは、登りきることができるか。 100km 箱根レイクヴィラユースホステル
3月4日 土砂降りの雨、一車線の人生。 106km 焼津セントラルホテル
3月5日 東海道しっかりせよ、怒り号。 100km 浜名湖ユースホステル
3月6日 一筋に、一筋に、無敵の男。 95km 愛知県青年会館ユースホステル
3月7日 天からミゾレの関が原。 110km 近江八幡ユースホステル
3月8日 転勤族の故郷とは。 83km 実家
3月9日 作戦変更。 実家
3月10日 父子伴走。 71km ビジネスホテルともえ
3月11日 瀬戸内旅情で休んだ。 82km ユースホステル浄運寺
3月12日 口角泡を飛ばした夜。 93km 倉敷ユースホステル
3月13日 決断のとき。 94km 瀬戸田ユースホステル
3月14日 春のうららの海だわさ。 89km 松山ユースホステル
3月15日 九州上陸作戦。 35km 別府ユースホステル
3月16日
神が舞い降りた日。
126km
シティホテルプラザ延岡
3月17日 ひとり上手と呼ばないで。 88km 宮崎県婦人会館ユースホステル
3月18日 ダサいキツネと依怙地のタヌキ。 59km 都城ユースホステル
3月19日 桜島だ、いよいよ。 69km 桜島ユースホステル
3月20日 ずっこけるな、三人組の大競争。 49km 圭屋(たまや)ユースホステル
3月21日 佐多岬はるかなり。 22km 錦江湾サウスロードユースホステル
3月22日 決戦、あばよ、早くー。 58km JR志布志駅待合室
3月23日 さらば、さらば。 1km 大島汽船「ありあけ」2等席
3月24日
日常へ。
34km
あとがき オレの勲章はオレのもの。


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