3月10日:父子伴走。

走行距離:71km
ルート :精華〜大阪〜神戸
宿 泊 :ビジネスホテルともえ


  朝、いつの間にか自転車(ただしレース志向)にのめりこんでいた父とともに、実家を出発する。父はロードレーサー、僕はマウンテンバイクに乗っての親子並走である。並走とはいっても、父のロードレーサーにすぐに引き離されてしまう。こっちも結構真剣にこいでいるのだが、やはり巡航速度ではレーサーにはとてもかなわない。

  京都府と大阪府の間に立ちはだかる清滝峠を登坂開始。このあたりはあまり山地というイメージはなかったが、意外にキツい登りが続いた。この後親子して道に迷い、どういうわけか阪奈道路に出てしまった。
 爽快なダウンヒルを経て、やがて大阪市街に入った。大阪城に着いたところで父と別れ、僕はここからは再び一人で西に向かう。さあ、いよいよ山陽道だぞ!

 しばらく国道1号を走り、淀川大橋を渡ったところで国道1号は2号に変わる。そして、素晴らしいことに、国道2号には自転車レーンが備えられていたのだった。歩道を色で塗りわけているだけではない。車道からも歩道からも、明確に障害物で仕切られており、走ることに集中できるのだ。素晴らしいっ。幹線道路でここまでやってくれるとは。おかげで密集市街地であるにもかかわらず、なかなかのペースで走り抜けることが出来た。ところどころ、路上駐車が自転車道をふさいでいたのが気にはなったけれど。

 尼崎、西宮、芦屋と走り抜けて、やがて神戸市内に入る。神戸には、高校生の頃、阪神大震災前に遠足で訪れて以来だ。当初の計画ではこの日は一気に姫路まで走るつもりだったけれど、意識して一日あたりの走行距離を縮めることに決めたので、今日は神戸市内で宿泊するのだ。

  昼頃、神戸市内のユースに電話してみる。…しかし!どこのユースもかなり前から予約で満杯だというではないか!うーむ。そういえば今日は土曜日。休日でお出かけの日だっ た。いつの間にか曜日の感覚がマヒしていた。宿のことは、もうちょっと西に走ってから考えよう…。と思っていたが、灘区を走っているあたりで雨がパラついてきた。なんてこっ た。また雨か!

 
本格的に雨が降ってきたので、三宮で走るのをやめることにした。まだ午後3時前だけれど、軽めに走るつもりだったから、よしとしよう。

 神戸三宮。高校生の頃の遠足では、たしかここが解散場所だった。しかしほとんど駅前など覚えていない。たしか大震災の後、大幅に改修されたと聞く。
 駅前の公衆電話のタウンペー ジを調べ、駅の近くのビジネスホテルに泊まることにした。韓国の金大中大統領に似たご主人と、従業員のおばさんがめちゃくちゃ面白い。関西人特有のツッコミを入れられたが、生粋の関西人ではない僕は、うまくボケきれないのが残念!

 宿に自転車を置き、外を出歩いてみた。カレー屋とソースカツ丼屋をハシゴし、遅い昼飯をたらふく食べた。人がいっぱいの繁華街。なんとなく自分がバイトしている会社のある東京の渋谷を思い出したけれど、渋谷ほどオコチャマなかんじがしないのはさすがに神戸。…渋谷って、流行の最先端というイメージがあるけれど、実は日本の中で最もヘンちくりんなところじゃないだろうか?

 高校生の頃、遠足で北野の異人館に行ったことがあったので、探してみようかと思ったけれど、雨がひどくなってきたので行く元気をなくして三宮に引き返した。まあ、自転車旅行で行くところでもないでしょう。駅前をブラブラ歩くけれど、なんかしっくりこない。自転車旅行という非日常と、都会の日常の間にはあまりに大きな差がありすぎる。

 何となく気だるさを覚えて僕が向かったのは登山用品店。1人用テントや、携帯ガスコンロなどにしばし見入ってしまった。テント、これからの旅に備えて思い切って買ってしまおうか。でもそうすると寝袋なんかも必要になるな。店員さんにいろいろ質問してみたけれど、野宿の用意を満足に整えるには、どうやら3万円以上はかかりそうだった。予算オーバー、 また今度にしよう。どうせ買うならたとえ高価でも軽量のテントを買いたいし。次回の遠征では、ぜひ野宿をしたい。

 都会の中ですっかり疲れてしまった夜は、一人ホテルでテレビ漬け。むなしいなぁ。宿の電話から、明日泊まる予定のユースに予約の電話を入れる。今日のようなユース泊まりそびれは、もうイヤだしね…。

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日付
タイトル
走行距離
宿泊
まえがき
ついに、このときが。
3月3日 キミは、登りきることができるか。 100km 箱根レイクヴィラユースホステル
3月4日 土砂降りの雨、一車線の人生。 106km 焼津セントラルホテル
3月5日 東海道しっかりせよ、怒り号。 100km 浜名湖ユースホステル
3月6日 一筋に、一筋に、無敵の男。 95km 愛知県青年会館ユースホステル
3月7日 天からミゾレの関が原。 110km 近江八幡ユースホステル
3月8日 転勤族の故郷とは。 83km 実家
3月9日 作戦変更。 実家
3月10日 父子伴走。 71km ビジネスホテルともえ
3月11日 瀬戸内旅情で休んだ。 82km ユースホステル浄運寺
3月12日 口角泡を飛ばした夜。 93km 倉敷ユースホステル
3月13日 決断のとき。 94km 瀬戸田ユースホステル
3月14日 春のうららの海だわさ。 89km 松山ユースホステル
3月15日 九州上陸作戦。 35km 別府ユースホステル
3月16日
神が舞い降りた日。
126km
シティホテルプラザ延岡
3月17日 ひとり上手と呼ばないで。 88km 宮崎県婦人会館ユースホステル
3月18日 ダサいキツネと依怙地のタヌキ。 59km 都城ユースホステル
3月19日 桜島だ、いよいよ。 69km 桜島ユースホステル
3月20日 ずっこけるな、三人組の大競争。 49km 圭屋(たまや)ユースホステル
3月21日 佐多岬はるかなり。 22km 錦江湾サウスロードユースホステル
3月22日 決戦、あばよ、早くー。 58km JR志布志駅待合室
3月23日 さらば、さらば。 1km 大島汽船「ありあけ」2等席
3月24日
日常へ。
34km
あとがき オレの勲章はオレのもの。


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