16.都会で乗って楽しいか?

「この大都会の、どこをどう走れば楽しいというのだッ」


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 以下は、疋田智氏の「愉しむための自転車学」を受講したときに書いた宿題のレポートに若干手を入れたものです。

1 身のまわりで感じる自転車利用の問題点「どこを走ればいいのか」

 都会で自転車に乗っているあいだの主な危険のもと、ストレスのもと、注意の対象は自動車である。自転車について考えるということは、自動車との関係を考えることである。

 本来、自転車に乗るという行為は、身体の健康によいだけではなく、気分爽快で精神的に非常に楽しい行為のはずだ。しかし都会で自転車に乗るとき、その楽しさが自動車のせいで大幅に目減りしてしまうということを見逃すわけにはいかない。しかもこの目減りの量は、長い距離を走れば走るほど増えていく。長い距離を走った末に、自転車の持つ楽しさがとうとうマイナスに転じてしまうということだってある。それでも満員電車の苦痛に比べれば大したことはないのだが…。

 いい悪いはさておき、現在の日本の都会の道路はあくまで自動車のためのものであり、走行中の車両で実際に目につくもののほとんどは自動車である。これでは自転車が快適に走れる専用レーンの設置などを主張しても(設置するべきだが)「ニーズのない政策」ということになり、予算が獲得できない。

 自転車に乗ることは楽しいなどと言っても、いったいどこをどう走れば楽しいというのか。これでは「趣味として」楽しむことはできても、「移動の手段」としては背負うストレスが多すぎる。

2 その解決法「知られざるネットワーク」

 さて、行政に自転車に重点を置いた政策の展開を期待することは遠い道のりである。ここでは個人でもできることだけを考えたい。

 自転車で長距離を走るとなると、最も短時間で着くためには走るコースはなるべく直線に近いほうがいい。とはいうものの、残念ながらたいていの直線的コースは、すでに国道をはじめとする幹線道路によって占領されてしまっている。目白通り、青梅街道、甲州街道、国道246号。「おいしいコース」はみな幹線道路化されてしまっている。

 したがって長距離を走るにあたっては、これらの道路を避けたコースだけを拾って探索する必要がある。距離的なロスはあるものの、自動車から受けるストレスのなさを考えれば、このようなコース取りはまさに自転車の楽しさを最大限に生かしてくれるといえるだろう。

 郊外から幹線道路をひた走るだけでは能がない。そこを走るのは自動車にまかせよう。閑静な住宅地、鉄道の高架下。サイクリングコースは多摩川や荒川、江戸川だけではない。小規模な河川は意外と多いし、暗渠化されている場所も探索のポイントになるだろう。

 つまり、幹線道路網とはまったく別の自分だけの「自転車通行ネットワーク」を構築すればよいのだ。何も専用レーンやサイクリングコースである必要はない。自動車のほとんど通らない裏道と裏道は地続きにつながっているのだから、それらだけを使ってもどこにでも行けるはずなのだ。自転車に幹線道路も何も関係はない。

 さらに言えば、自分だけのと言わず、あちこちの自転車に乗る人が持っている情報を一カ所に集約し、公開する方法があれば、これほど面白いことはない。そこまでいけば、レーンがないだの自動車が多いだの文句を言わなくても、現状で十分自転車を楽しめるではないか。

※京都や大阪では、市民団体によって、自転車で走りやすいルートマップ作りが行われているそうです。東京では?


17.自動車免許を取るんだった
15.スポーツ劣等生と自転車
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